亜州太陽市場で出会える、奥深いアジアの食文化
商品取り扱い国
四年前に誕生した、太陽市場。
当初は20カ国弱の品揃えでスタートしました。現在は26カ国の商品を展開しています(注: 季節やタイミングにより多少変化します)。
アジアは、国連の定義では極東の日本からトルコまでと定義されています。
地域ブロックとしては五つに大別されます。
東アジア : 日本、中国、朝鮮半島、台湾、モンゴル
東南アジア: タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどアセアン諸国
南アジア : インド、バングラデシュ、パキスタンなどのインド亜大陸周辺国
西アジア : 一般的には中東と呼ばれる。サウジアラビア、レバノン、トルコなど
中央アジア: カザフスタン、ウズベキスタンなどシルクロード沿いの各国
現在は26カ国の展開ですが、今後ますます増えていく予定です。
なお、一部太平洋州地域の商品も取り扱っております。
需要 = 距離
五年目に入った太陽市場。
ここまでの事業展開を振り返ると、「日本国内での需要=日本からの距離」であると改めて感じます。
当たり前のようですが、歴史的に、距離が近いと人の往来も交易も多かったはずです。飛行機もない時代、食文化は隣接地域に伝播し、変化していったことでしょう。
故に、距離が近い地域の食文化に最も馴染みができ消費されます。
日本を中心に据えると、韓国、台湾、北京、上海、香港といった地域です。
そこから同心円上で距離が離れるほど、「時々食べる」「食べたことはある」「聞いたことはある」というようにグラデーションで馴染み度が薄れていきます。
東南アジア、南アジア、西アジアの順です。
ただし、馴染みがない=口に合わない、ではありません。
むしろ、まだまだ知られていない美食がアジアにはたくさんあります。
日本への食文化は西方から伝わりましたが、日本は西方に向かって新たな味覚を発見している段階とも言えます。
小麦と米
アジアの食文化は大別すると小麦文化圏と米文化圏に分かれます。
上記はざっくりしたイメージですが、アジアはおおよそ上記の青い線で小麦文化圏、米文化圏に分かれます。
二つの文化圏が分かれて発展してきた主な理由は気候と地形です。
近代に入り品種改良や文化交流、温暖化などで多少の変化はあるものの、その土地に根差した主食とその他の食材の組み合わせが、豊かでバラエティに富んだ食文化を育んできたと言えます。
例えば、米が主食の東南アジア地域では、そのまま食べるのはもちろん、あえて米を砕いて調理したり、米粉にした上で数多くの麺を生み出し、それに合うスープや和えダレが進化してきました。
米食の地域では何かを包んで揚げる際の皮も米粉から作ります。小麦粉の皮とは一味違ったサクサク感が楽しめます。
中国東北部やインド北部、西アジアなどの小麦文化圏では、実にさまざまパン類、パイ類、包子類が作られ、もちもちな食感が蠱惑的です。
また、小麦からは中国を中心に多様な小麦麺類が発展し、日本やイタリアなどに多大な影響をもたらしました。
小麦と米の食文化圏の違いをイメージしながら、売り場を歩いていただけるとより深く楽しんでいただけると思います。
中国の食文化はとてつもなく広く、深い
アジア、特に東アジア、東南アジアの食文化を語る上で中国の食文化は外せません。
歴史が長いのみならず、気候的、地形的にも非常に多様性に富み、面積も広大な中国では把握が難しいほどさまざまな料理体系を生み出してきました。
そして周辺国の食文化にも多大な影響を与え続けてきました。
太陽市場創業以来、当店スタッフも毎日中国食文化と向き合ってきました。
しかし、学んでも学んでも全容把握ができないほどとてつもなく広く、深いのが中国食文化です。
ゆえに、楽しく、美味しいのです。
中国八大料理
中国の食文化はあまりにも広く、深いため分類の仕方によっては数十、数百に分かれるとも言われます。
ひとつ確実に言えるのは、
「中華料理という料理はない」
ということです。
中国の料理体系全体像をある程度把握するために便利なのは、「八大料理」です。
四川料理 |
麻辣(まーらー)が基本。唐辛子と花椒(ほわじゃお)を組み合わせ、辛さと痺れを味付けのベースとしている。内陸部の大変暑い地域で、夏場は気温が40度を超える。代表的な料理としては、麻婆豆腐、四川火鍋、辣子鶏(らーずーじー)、回鍋肉、棒々鶏、担々麺など |
湖南料理 |
酸辣(さんらー)が基本。酸味と辛さを組み合わせ、濃いめの味付けをベースとしている。辛さでは四川を超え、中国で一番辛い料理として有名。日本では湖南(ふーなん)料理は珍しい料理だが、世界的にはよく知られた中華のカテゴリー。酸辣湯、紅焼肉が有名 |
安徽料理 |
砂糖や油をたっぷり使った濃厚な山間部の味付けが特徴。医食同源を重視。日本で食べられるお店は少ない |
北京料理 |
北方料理に属する。ネギ、生姜、ニンニク、油を多用する。長い間首都だったことから、宮廷料理の流れもある。北京ダックが有名だが、羊も多用する。小麦文化であることから水餃子の本場でもある(特に、山東省)。葱爆羊肉、羊のしゃぶしゃぶ、木須肉(卵と豚肉、キクラゲの炒め物) |
江蘇料理 |
上海料理や南京料理を含む。日本でも知られた料理のスタイル。長江下流域のさまざまな食材に恵まれた地域の料理。酢、醤油、砂糖をうまく組み合わせ、コクと甘味のある風味に仕上げていく。代表的な料理は、水晶蝦仁、揚州炒飯(中国全土の炒飯の基本)、南京塩水鴨、上海炒麺、上海蟹など |
浙江料理 |
長い歴史を誇る。材料、品種、旬にこだわり、海鲜物、野菜、果物はすべては旬のものを、家禽、畜産物は特産のものを多く使用する。新鮮さと、部位にこだわり、「四季の順序」の原則を重視。調理方法は豊富で多彩。主要な材料と調味料の配合に注意し、味付けを豊富に変化させていく。トンポーロー、龍井蝦仁 |
福建料理 |
福建料理としては日本では知られていないが、日本、世界に大きな影響を与えている料理のスタイル。世界中のチャイナタウンは福建料理が多い。また、東南アジアの中華のベースも福建料理であることが多い。長いリアス式の海岸に面しており、また、すぐに山が迫っている地形故、海と山の材料に恵まれている。多様な素材を使った名作スープが数多くあり、スープでお腹がたぷたぷになることもしばしば。炒米粉、福建拌麺、福建魚丸など数多くの名作料理がある。対岸の台湾料理にも多大な影響を与えている |
広東料理 |
非常に多様な食材を使う。食材の味を活かすため、スパイシーな料理法は使わず、油も控えめ。オイスターソース、醤油、豆豉を多用し、あっさりした味付けが好まれる。香港料理も含まれる。代表的な料理は、飲茶、白切鶏、蛎油生菜、密汁叉焼など |
その他の料理 |
東北料理、雲南・貴州料理、延辺料理(朝鮮族)など。最近日本で増えてきているガチ中華の中にはこういった料理も食べられるようになってきている |
四川料理、湖南料理、その他の料理は辛味が強いものです。
それ以外は日本で比較的馴染みのある料理体系です。
売り場で「これはどこの料理で使う調味料かな?」という視点で見ていただくと、今までとはひと味もふた味も違う買い物体験をしていただけると思います!
東南アジアは美食の交差点
東南アジアは地理的、歴史的に、中国食文化とインド食文化という二大食文化の双方から影響を受けてきました。
現地の元々の個性的な食文化、フレッシュなハーブや豊かなシーフードなどの食材のベースに二大食文化の影響が合わさり、極めてユニークな美食が数多く生まれました。
東南アジアは大陸部と島嶼部に分かれますが、ベトナムの大半とラオスを除く地域で共通して多用されるのがココナッツです。ココナッツ、ココナッツミルク、ココナッツクリームがありとあらゆる料理に使われ、辛さや酸っぱさをマイルドで豊かな風味でまとめ上げます(ベトナムも南部ではココナッツを使います)。
ベトナムの大半はココナッツがなく、スープはクリア、辛味も少なく、中国沿岸部や台湾のようにクリアで深い味のスープを追求した料理がメインです。
ラオスはタイ料理(特にイサーン地方)と味付けが近いですが、基本的にココナッツを使用しません。また、ベトナムとラオスに共通するのが、東南アジアでは珍しいパン文化とコーヒー文化です。これは近代の歴史の影響ですが、どちらもすでに両国の重要な食文化の一部となっています。
クリア系、ココナッツ系、どちらも複雑で風味が豊かで大変に美味です。
東南アジア商品も豊富に取り揃えております。ゆっくりとお買い物をお楽しみください。
ある程度分けて考えるとより楽しめるアジアメシ
アジアは、世界で面積的にも人口的にも人種的にも国数的にも歴史的にも最大で、最も奥深い地域です。
その分食文化も極めて多様で、その全容を掴むのは容易ではありません。
そのため当店のスタッフはアジアをある程度の地域に分けて、特徴を掴むことで頭の中を整理していきます。
アジアの各国・地域の食の特徴
東アジア
日本、韓国、中国とかなり特徴のある調理法、味覚となっている。共通項は、醤油や味噌などの発酵調味料が味のベースとなること。中国、韓国では唐辛子を大量に使うところも共通。食材、技法共に中国は世界一多様であると言える。
東南アジア
ベトナム北部、ラオスを除くと概ねココナツを多用するところが共通項。基本的に米文化である。また、ハーブ、スパイスを多用する。ムスリムと仏教が支配的であり、宗教により食材が大きく変わる。中国文化とインド文化の交差点にあり、双方の良い部分を取り入れてきたため、非常に美味な料理が多い。フィリピンだけ異質だが、魚醤、醤油を使うなどの共通項はある。フィリピン料理も美味。
南アジア
日本人にとってまだまだ馴染みが薄い地域。日本にインド、ネパールレストランは数多いが、自宅で作る人はまだ少数派。ただし、自作する人は少しづつ増えてきており、今後大注目のエリア。世界最大のスパイス数、量を使う地域。スパイスの組み合わせでマジックのように素晴らしい風味を無数に創り出す。ベジタリアンが多いのも特徴的
西アジア(中東)
日本では馴染みが薄いが大変美味しい料理が多い地域。ムスリム国が多い。スパイスは使うが南アジアに比べると限定的。豚は全く食べず、羊や山羊などを多く消費。地中海に面するトルコやレバノン、イスラエルではオリーブオイルも多用。トルコは世界一パンを食べる国である。
中央アジア
全てが内陸国で、ムスリムが過半。食材がそれほど多様でないこともあり、広大な地域ではあるが食の傾向は比較的似ている。小麦文化圏。
北アジア(モンゴル) ※東アジアに入れることも多い
気候が厳しく、食材が限定的であり、羊、乳製品が主。羊の新鮮さ、旨さには目を見張らされる。
地域以外にも、食材、調理法などの軸でも学んでいきますが、まずは地域という枠組みを頭の中に入れることでかなり理解が容易になります。
その上で、各地域の各国、あるいは各地方というようにどんどん深掘りしながら、食材、調理法、商品を理解していきます。食品ですから、当然、試食、実食も頻繁に行います。
これらを繰り返すことで、当店のスタッフのアジアメシに対するノウハウは深まっていきます。
とはいえ、このプロセスは苦行ではなく、さまざまな食文化の豊かさ、違いを楽しむ旅路です。個人の好みもあるので、当店のスタッフ会議ではワイワイガヤガヤさまざまな国の食品に関して、いつも楽しく語り続けています。
皆さんも、我々と共にガチアジアメシへの旅路に出かけてみませんか?
ハラールを味わおう
上記の緑色の国は、ムスリム(イスラム教徒)が過半を占める国々です。世界人口の60%以上が集中するアジアは、ムスリム人口も最大です。
ムスリムが口にできる食材、食品は、イスラムの戒律に則って処理されたり、加工されたものに限ります。
それらはハラール(許された、法に則った)と呼ばれ、これらの食品には下記のようなハラール認証マークが付いています。
当店にはハラール食品が200前後あり、ムスリムの皆様には安心して召し上がっていただけます。また、ムスリムではない方も、もちろん安心、安全に楽しんでいただけます。
ハラール食品には美味しいものが多いのも特徴です。是非、売り場で探してみてくださいね!